作曲したショパン自身がフランツ・リストに「生涯でこれほど美しい旋律を書いたことはない」と自画自賛したほどのピアノ曲。遅いカンタービレの練習で、右手が内声部を弾きながら旋律の音量を維持しなければならない。技術に加えて表現力・音楽性も試される難曲です。
「別れの曲」という題名は、作曲者自身によるものではなく、これは1935年頃に日本でつけられたものだそうです。ショパンの伝記を元にしたフランス映画の題名が「別れの曲」で、その映画の中でよく使われていた曲だったので、そのまま現在の曲名となりました。
ショパンの作曲したエチュード(練習曲)は、「作品10」の12曲と、「作品25」の12曲、あとは出版社に依頼されて書いた3曲があります。従来エチュード(練習曲)とは、その名の通り練習のために書かれたもので、無味乾燥なつまらないものであるのに対し、ショパンはその枠を超えて練習曲ながら音楽性の訓練も兼ね備えた、芸術性の高いものに創りあげました。