1834年に作曲されたピアノソロ曲で、4曲の即興曲のうち最後に出版された遺作。現在出回っているのはショパンの死後、友人のユリアン・フォンタナが改稿して発表したもので、「幻想」の題も彼によって付けられたそうです。ショパンは自分の死後にこの曲を処分してほしいと頼んだそうですが、ユリアン・フォンタナはその遺言にそむいて公表したと言われています。
ショパンがこの曲を公表したくなかった理由について定かではありませんが、ベートーヴェンのピアノソナタ第14番「月光」第三楽章の一部に非常に似ていることを気にしたなどの説があります。
演奏難易度はE(上級)で難しいですが、ピアノを習っている人なら是非とも弾いてみたいというような、とても人気のある曲です。
主題となるのは美しくも悲愴的なメロディーライン。それをせき込むように奏で、対照的に中間部は暖かく愛らしいメロディーを高らかに歌い上げます。ショパンの魅力が詰まった才気溢れる一曲です。
ショパンの即興曲は第4番までありますが、第3番も第4番に匹敵、もしくは超えるくらいの名曲(演奏難易度はかなり高いです)なので、機会があれば是非聴いてみてください。