この曲の冒頭のメロディーは、まずほとんどの人が聞いたことがあり、たいがいの人において作曲者と曲名も浮かんでくる最もメジャーな曲の中の1つです。現在ではベートーベンの創作活動の頂点のひとつと言われているほど高評価されています。曲全体としてはベートーベンの交響曲の中でも最も緻密に設計されており、第1楽章の「暗」から第4楽章の「明」へと遷移するドラマチックな楽曲展開も魅力です。
第4楽章ではオーケストラの歴史上初めて「トロンボーン」が導入された曲でもあります。N響アワーで第4楽章まで待機するトロンボーン奏者をカメラが追ったものを見たことがありますが、この待機の苦労を思うと第4楽章の冒頭の華々しさが一層思い入れの深いものになります。
【トロンボーン】
ベートーベンの人気のあるピアノ曲、ピアノソナタ第23番「熱情」が主題や構成の面から関連作品と言われていますので、機会があったら合わせて聴いてみるのが良いと思います。
※曲の構成
第1楽章 Allegro con brio ハ短調
第2楽章 Andante con moto 変イ長調
第3楽章 Allegro. Attacca ハ短調
第4楽章 Allegro. Presto ハ長調